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2019-05-14
コラム
橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折について


橈骨遠位端骨折とは手首の骨折で、手をついて転倒した際に起こります。高齢者の三大骨折(他、大腿骨頚部骨折、脊椎圧迫骨折)にも挙げられ、特に中高年の女性に多い骨折です。


 症状は主に手首の痛み・腫れ・変形ですが、時に骨片によって神経が圧迫されて正中神経麻痺(親指〜薬指、手のひらにかけての痺れ)を発生する事もあります。 診断はレントゲン・CTにて行います。

 

 治療は保存的治療と手術的治療があります。保存的治療は転位が軽度な場合や、徒手整復(引っ張ったりして骨を元の位置に戻す)が可能な場合に選択します。主に4-5週のシーネ固定もしくはギプス固定にて治療します。

 手術的治療は転位の程度が大きい場合、徒手整復不可能な場合、もしくは保存療法を行っていたが再転位を来たした場合に選択します。手術法は経皮的骨接合術、内固定術(皮膚を切開して、骨折部を展開しプレートなどで繋ぎ合わせる手術)、創外固定術等がありますが、現在はプレート固定を行うことが多いようです。



 手術後のリハビリは、プレート等固定がしっかりできれば早くて術後翌日〜1週間で手首も含めた運動が開始となります。まずは、腫れと痛みのコントロールを行った上で徐々に動きを獲得して行き、日常生活で使える手を目指していきます。骨の癒合過程に応じて、訓練のプログラム、行って良い運動が変わってきますので専門療法士が個別に生活スタイルに合った運動、訓練内容を提案していきます。

個人差がありますが、術後6〜8週間で中等度作業、徐々に手をつく動作やタオル絞りが可能となり、術後3ヶ月程度で免荷なく日常生活動作を行って良いレベルとなります。本骨折が疑われた場合は早めに整形外科を受診するようにして、適切な治療とリハビリを受けられる事をおすすめします。


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